「年々暑くなっている」のは本当かどうか調べてみた。
こんにちは、管理人Kです。
7月なのにすでに猛暑日の連続で、今年も暑い夏になっています。
この時期になると毎年どこかから聞こえてくる、
「年々暑くなっている」
という感想。
確かに管理人自身もそんな気がするので、今回はこの真偽について調べてみることにしました。
まずは暑さに直結する「気温」という観点から、
「年々気温が上がっている」のか、データを見てみましょう。
こちらは東京の年別最高気温の50年間の推移。
若干上昇してはいますが、50年前から35度以上は頻発しており、20年以上前から40度近い気温を記録していることが分かります。
続いて東京の8月の平均気温の推移。
こちらも概ね横ばいで推移しており、特に平均気温が高くなっているとは言えません。
このように、約50年前から見ても、「気温」という観点では驚くほどの変化はなく、「年々気温が上がっている」というのは気のせいであることがわかりました。
ただ、その他の要因を見てみると
「年々暑くなっている」のはどうやら間違いないようです。
まずはコチラ。
東京の年間の熱帯夜(25度以上)の日数のグラフです。
コチラは目に見えて右肩上がり。
つまり、熱帯夜で寝苦しい夜が増えたことで、「年々暑くなっている」と感じる人が多くなっているのではないでしょうか。
実際、昼間暑いのはまだ我慢できますが、夜まで暑いのは耐えがたいもので、それが気温以上に暑さを感じさせる要因になっていると考えられます。
さらに、日中についても、実際の気温は変わりがなくても、体感温度は昔より確実に高まっていると思います。
その主な理由はいわゆる「ヒートアイランド現象」。
街の都市化が進行したことで、緑の減少する一方、コンクリートやアスファルトの道路やビルが増加しました。
植物は自身の水分を蒸発させる「蒸散」により、周囲の熱を奪ってくれます。
(人間が汗をかくのと同じ原理)
しかし、コンクリートやアスファルトはそうはいかず、いつまでたっても熱を保持し続けます。
(熱帯夜の増加はこれが原因です。)
ちなみに、コンクリートやアスファルトは気温の2倍の温度にもなるそうで、そこから発せられる熱を直接感じているので、私たちは気温以上に熱く感じるわけです。
さらに高いビルの増加や建物の密集により風の通りが悪くなり、体温で温められた&汗の湿気を含んだ空気が体の周りから移動しません。
よって、体の周りは常に高温&高湿度の状態が続くため、あの都会特有のまとわりつくような暑さにつながっているのです。
こうしてみてみると、結局、今の日本の夏の過ごしにくさは、
「都市化」による便利さの代償ということが分かります。
逆に、田舎の方にいくと、昼間の気温は都会とそんなに変わりませんが、風があり自然が多い分、日陰に入れば割と平気です。
また、朝晩はしっかり気温が下がりますので気持ちよく寝られます。
(むしろ、朝になるとタオルケットを羽織っていないと寒いくらい。)
自ら選んで都会で生活している以上は、その過ごしにくさは許容せねばならないということです。
便利さを取るか、快適さを取るか。
全てを手に入れることはできず、何事も自由と責任はセットなのです。
都会の暑さに耐えられない人は、是非田舎へどうぞ。
きっと都会に戻ることはできなくなるはずです。
それでは。